船釣り用レインウェアの選び方|防水透湿とPVCの違いを解説
2026年07月28日

港では小雨でも、沖へ出ると走行風に押された雨と波しぶきが横から当たります。街で使っている雨具では袖口や首元から水が入り、船べりに座ると尻まで冷えます。
船釣り用レインウェアは、雨を止める性能だけでは選べません。ジギングのように一日動き続けるなら蒸れにくさ、エサ釣りやイカ釣りなら血や墨を真水で落とせる表面が必要です。
最初の一着は、動きやすさを優先するなら防水透湿、汚れ落ちを優先するならPU・PVCから選ぶのが良いでしょう。さらに二重袖、フードの視界、パンツの高さを確かめておけば、手首や腰から入る水も防げます。
この記事では、船釣り用レインウェアの選び方、防水透湿とPU・PVCの違い、サロペットや袖口の見方に加え、用途の異なる現行9製品を紹介します。
この記事で分かること
晴れ予報でもレインウェアを持ち込む理由
防水透湿とPU・PVCを釣り方で分ける基準
雨・波しぶきが入りにくい袖口とフードの形
上下パンツとサロペットの違い
入門から船用上位モデルまでの現行9製品
船釣りでは晴れ予報でもレインウェアを持ち込む

船のレインウェアは、雨の日だけの装備ではありません。走行中は横から波しぶきをかぶり、釣れた魚を抱えれば腹や袖に血とヌメリが付きます。晴れ予報でも、防水ウェアが一着あれば波しぶきと汚れの両方を受けられます。
濡れた服へ走行風が当たると、気温が高い日でも体が冷えます。雨が降ってから探すのではなく、出船前にすぐ取り出せる場所へ入れておきます。冬は防寒着を濡らさない外側の一枚としても欠かせません。
船釣り用レインウェアは雨と汚れのどちらを優先するかで変わる
同じ完全防水でも、レインウェアの着心地と手入れは素材で大きく変わります。船上で汗をかく釣りと、エサや魚を触る釣りでは、優先する素材も同じではありません。
手持ちで動き続けるなら防水透湿
タイラバ、ジギング、キャスティングのようにロッドを一日持ち続けるなら、汗の水蒸気を外へ逃がす防水透湿素材を選びます。内側に汗がこもりにくく、雨が止んだあとも風よけとして着続けられます。
ただし、表地へ魚の血やコマセが付くと繊維の間へ入り、PUやPVCのようにホースの水だけですべて落ちるとは限りません。汚れが強い釣りには、洗濯表示で丸洗いできるものを選びます。
エサ・血・イカ墨を洗うならPU・PVC
イカメタル、青物のエサ釣り、コマセを使う釣りでは、表面へ水や汚れが染み込みにくいPU・PVCが向きます。帰港後は表面を真水で流せるため、魚のヌメリやイカ墨を洗い落としてから片付けられます。
一方で、透湿性はないため、夏の船上やジギングでは内側に汗がこもります。背面ベンチレーションや裏地メッシュがあっても、防水透湿素材と同じ着心地ではありません。
ルアー船とエサ釣りの両方なら2着を使い分ける
ルアー船とエサ釣りの両方へ乗るなら、防水透湿と船カッパを一着ずつ使い分けます。晴れ予報のジギングには軽い防水透湿、イカやエサ釣りには真水で汚れを落とせるPU・PVCが合います。
船へ持ち込む一着は、天気より先に「その日に何で汚れるか」で分けます。
船釣りに合わせるレインウェア9製品
価格を抑えた防水透湿から、汚れを丸洗いできる船用、軽さと防汚性を両立した上位モデルまで選べます。上下セットのほか、傷んだジャケットやビブだけを買い替えられる製品もあります。
入門は素材の違いが分かる3製品
最初の一着は、価格だけで決めず、防水透湿の上下セットか、水産用PVCかを先に分けます。晴天の波しぶきまで広く使うなら防水透湿、エサや墨を洗うことを優先するならニューシーキングです。
- 透湿性5,000g/㎡で内側の蒸れを逃がす
- 腕を上げた姿勢に合わせたフィッシングフィット
- 芯入りのフードが走行風を受けても形を保つ
コンタクトレインスーツは、価格を抑えて防水透湿の上下をそろえられるモデルです。袖の取り付け角度を上向きにした裁断なので、ワンピッチのしゃくりやキャストで腕を上げても、背中を大きく引っ張りません。
パンツにポケットを付けないなど、価格を抑えた部分ははっきりしています。収納よりも、雨具を着たままロッドを動かせることを優先する一着です。
- 二重袖口がロッドを立てたときの伝い水を減らす
- パンツ前ファスナー裏の三角マチが着座時の浸水を抑える
- 裏地メッシュが肌への張り付きを抑える
DR-3625は、袖口、前立て、パンツ前部から入る水を抑えたRAINMAXの上下セットです。エサ釣りからルアー船まで、釣り方を限定せず着回せます。
魚の血やイカ墨を毎回浴びるなら、真水で汚れを落とせるPUモデルが先です。雨の予備から普段のルアー船まで着回すなら、柔らかな生地のDR-3625が体の動きを妨げません。
- 水産作業向けの中厚手PVCが汚れの染み込みを抑える
- 二重袖口と二重前立てが横からの水を止める
- 胸付ズボンは膝裏補強と着脱式サスペンダーを備える
ニューシーキングは、釣具ブランドのレインスーツではなく、水産現場で使われるPVC製品です。ヤッケと胸付ズボンを別々に選び、汚れた表面を洗う使い方に向きます。
透湿しないため、暑い日のジギングには重く感じます。イカ墨やコマセが飛ぶ釣り、寒い時期の置き竿など、動きより洗いやすさを優先する日に強い組み合わせです。
船用はサロペットと汚れ落ちで選ぶ3製品
船用モデルは、雨具のパンツではなく胸まで覆うサロペットが中心です。座った姿勢で上着の裾が上がっても腰が露出せず、エサ箱や釣れた魚を腹へ寄せたときの汚れも受け止めます。
- ネオプレーンを使った二重袖が手首からの浸水を抑える
- 胸まで覆うサロペットが腰の隙間をなくす
- 取り外せる腰・腿パッドが着座姿勢を支える
ROUGH WATERは、真水で汚れを落とせるPUに、腰と腿のパッドを加えたレインスーツです。腿を船べりへ当てるタチウオや、長く座るエサ釣りでは、付属パッドが硬い縁との当たりを和らげます。
パンツの股からヒップは一枚布で、裂けやすい縫い合わせを減らしています。立ったまま軽快に動く服というより、船上で体を支える場所まで考えた一着です。
- 海水や汚れが染み込みにくいPU生地
- キャップとフードをクリップでつなぎ、顔の動きへ追従させる
- 背面ベンチレーションがこもった熱を逃がす
DR-6026は、船用PUにフードの視界と背面ベンチレーションを加えたモデルです。キャップのつばとフード裏をクリップでつなぐと、顔を向けた方向へフードも動きます。左右の釣り人や船の進行方向を確かめるときも、フードが視界を遮りません。
背面にはベンチレーションがありますが、防水透湿素材ではありません。真夏に動き続けるより、汚れを洗うことが多い船釣りで使うと特徴が生きます。
- 表面の特殊コーティングが水と汚れを弾く
- PU・PVC系より軽く、小さく畳んで持ち運べる
- クロロプレン内張袖口が手首からの水を減らす
ULイージーケア ジャケットは、防水透湿の軽さと船カッパの防汚性の間を狙った上着です。電車や飛行機で荷物を絞る遠征でも、重いPU上下を持たずに済みます。
同シリーズのビブと組み合わせると船用の上下になりますが、まず上着だけ買い替え、手持ちのパンツと合わせることもできます。
防汚性と着心地を両立した3製品
上位になるほど、素材名だけでなく、汚れる場所と動く場所で生地を分ける設計が増えます。長時間着たまましゃくるなら、重さ、脇の蒸れ、袖口の水まで見て選ぶのが良いでしょう。
- 胸まで覆うビブ構造で腰からの水と汚れを減らす
- 高い位置まで入ったマチが前開きからの浸水を抑える
- 耐塩性ビスロンファスナーが潮による固着を減らす
ULイージーケア ビブは、同シリーズのジャケットより船釣り向けの工夫が多い一着です。水切れのよい内ポケットや吸水しにくいロゴが、丸洗い後の乾燥を早めます。
ジャケットと同じサイズ表記だけで決めず、座ったときの股上とサスペンダーの長さを合わせます。冬の中間着を入れるなら、しゃがんだときに腹が締まらないサイズまで上げます。
シマノ オシアイージーケア ジャケット 05 RA-070Z
この機種が合う人
しゃくり続ける動きと、釣れた魚を抱えたときの汚れの両方へ対応する一着です。
- 汚れやすい面へSTAIN SHIELD 3Lを配置
- 肩甲骨まわりと脇へストレッチ防水透湿生地を使う
- 脇のベンチレーションで着たまま熱を逃がせる
オシアイージーケア ジャケットは、船カッパの重さと動きにくさを抑えたモデルです。魚を抱える前面は真水で汚れを落とせて、肩や脇はロッド操作へ追従します。
価格は上がりますが、雨の日だけ着る服ではありません。青物ジギングでは晴天でも魚の血や波しぶきを受けるため、天候を問わず着られます。別売りのRA-071Zビブと合わせると、脇のベンチレーションを上下で連動させられます。
ダイワ DR-1926 GORE-TEX バーサタイルレインスーツ
この機種が合う人
長い雨の中でも、軽くしなやかなGORE-TEXでロッド操作を続けたい人向けです。
- 2層GORE-TEXが防水・防風と透湿を受け持つ
- AquaGuard Tightenedが前面からの水を抑える
- 柔らかな生地と裏地メッシュが肌への張り付きを抑える
DR-1926は、汚れを洗う船カッパではなく、雨の中で動き続けるためのGORE-TEX上下です。柔らかな生地なので、キャスティングやジギングで腕を大きく振っても肩や背中が突っ張りません。
コマセやイカ墨を浴びる日に使うより、雨天のルアー船や遠征で着心地を優先すると特徴が明確です。高価な素材だけに、帰港後は製品の洗濯表示に沿って塩を残さない手入れを続けます。
袖口・フード・前立てで横から入る水を止める

船ではロッドを立てた腕へ雨が当たり、手首から袖の内側へ水が流れます。内側にクロロプレンやもう一枚のカフを入れた二重袖なら、手首へ回る水を止められます。
フードは深ければよいわけではありません。顔を左右へ向けたときに一緒に動き、横の釣り人と船の進行方向を見られる形が必要です。キャップをかぶった状態でフードを絞り、つばが視界を隠さない位置へ合わせます。
前面は止水ファスナーだけに頼らず、前立てやマチも見ます。完全防水と書かれていても、ファスナーを開けたまま走れば水は入ります。乗船前に首、袖、裾を合わせてから出船します。
サロペットは腰からの浸水と汚れを減らす
普通のレインパンツは軽く、トイレや着替えも簡単です。ただし、座って仕掛けを触ると上着の裾が上がり、背中と腰の間から水が入ります。
サロペットは胸まで生地が続くため、腰の隙間をなくし、腹へ当たるエサ箱や釣れた魚の汚れも受け止めます。イカメタル、タチウオ、コマセ釣りなど、座る時間が長い釣りほど違いが出ます。
その代わり、夏は腹まわりへ熱がこもります。軽さを取る日は通常パンツ、汚れと浸水を止める日はサロペットと分けると、一年を通して無理がありません。
サイズは冬の重ね着とライフジャケットまで含めて合わせる
レインウェアの下は、夏の薄着と冬のフリースで厚みが変わります。試着ではロッドを持つ姿勢まで腕を上げ、しゃがんだときに背中と股が突っ張らないかを見ます。
大きすぎると風で生地がばたつき、袖口とフードの隙間も増えます。冬服を入れられる範囲で体へ寄せ、袖と裾を絞れるサイズなら、走行風でも生地が暴れません。
ライフジャケットはレインウェアの一番外へ着けます。肩掛け型ならフードと首元、腰巻き型ならサロペットのベルトと重ならないかも試しておきます。
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帰港後は塩と汚れを真水で落とす
濡れたレインウェアを丸めて車へ置くと、ファスナーや面ファスナーに塩が残ります。帰港後は泥やエサを落とし、家で表裏を真水ですすいで陰干しします。
PU・PVCは真水で表面の汚れを落とせる反面、折り目へ負担が集中します。乾かしたあとは強く折り畳まず、車内の高温や直射日光を避けます。
防水透湿素材は、洗剤、撥水剤、乾燥温度が製品によって違います。特に特殊な防水層を表面へ置くモデルは、メーカーが撥水スプレーを禁止していることもあります。購入時の洗濯表示を残し、その一着に合う方法で手入れします。
雨と波しぶきの中でも手元へ集中できる一着を選ぶ
船釣り用レインウェアは、晴雨兼用の一着を探すだけでは決まりません。手持ちで動く日は防水透湿、エサやイカ墨で汚れる日はPU・PVCと分ければ、釣り方に合う素材を決められます。
袖口から水が入らず、座っても腰が出ず、フードをかぶったまま横を見られる。そこまで合ったレインウェアなら、雨が強くなっても服を直す必要がなく、穂先と手元に集中できます。













