船タコの根掛かり対策とは?外し方とPEラインを切るときの注意点
2026年07月13日

船タコで小突いていると、竿先へ返っていた振動が突然消え、仕掛けが硬く止まることがあります。タコが乗ったと思ってさらに竿を立てると、タコエギのカンナやオモリが岩の隙間へ深く入り、外せたはずの根掛かりまで切ることになります。
根掛かりはゼロにできませんが、仕掛けを底へ置く角度と、引っ掛かった直後の動きで仕掛けを失う回数は減らせます。硬く止まったら巻く手を止め、竿で引き続けないことが最初の対処です。
船タコの根掛かりは底を横へ引くと増える
船タコでは、オモリを底へ置いたままタコエギを細かく動かします。ただし、船が流れてラインが斜めになると、同じ小突きでも仕掛けは上下ではなく横へ移動します。オモリが岩の隙間へ入り、上向きのカンナも障害物を拾いやすくなります。
仕掛けを船の真下へ入れ直す
リールから出たラインが船べりに対して斜めになったら、底を追って糸を出し続けません。一度巻き上げ、仕掛けを船の真下へ落とし直します。
小突いている途中も、ときどきオモリを30cmほど浮かせて落とし直します。同じ隙間でオモリを何度も寝かせる時間を減らし、着底した位置も取り直せます。底取りとオモリの動かし方は、船タコのオモリの選び方を参考にしてください。
荒い底ではタコエギを1個へ減らす
タコエギを2個付けると、色を増やせる一方でカンナも増えます。根掛かりが続く場所では片側のタコエギを外し、1個付けへ戻します。ブレードやワームも外せば、仕掛けが潮を受ける面積が減り、真下へ入れ直しやすくなります。
エギを1個へ減らす条件は、タコエギを2個付けする理由と使い分けを参考にしてください。
PEラインは小潮と速潮で選び方を変える
小潮は潮の動きが緩む時間が長く、仕掛けを船の真下へ置きやすい潮回りです。ただし、小潮なら一日中流れが弱いとは限りません。場所や時間によってラインが斜めへ入るため、潮回りの名前より船べりから出るラインの角度を見ます。
PEラインは2号を基準にし、潮が緩い日は4本編み、速い潮を釣る機会が多いなら8本編みも選択肢に入ります。編み数を替えるだけで根掛かりがなくなるのではなく、水切れと着底の分かりやすさが変わります。
小潮は4本編みのPE2号を基本にする
船タコを始めるなら、PE2号の4本編みを200m巻いておけば、小潮から速すぎない潮まで対応できます。4本編みは1本の原糸が太く、張りのある製品が多いため、オモリが底へ触れた硬い振動を取りやすいのが利点です。
- 2号で重いオモリとタコの重みを受け止める
- 4本編みの張りで着底時の振動を伝える
- 200m巻いて高切れ後の残量を確保する
船魂では、タナトル4の2号を200m巻いています。小潮の日でも流れが速くなる時間はありますが、船宿指定のオモリを付け、ラインを真下へ入れ直せばそのまま使えます。潮が変わるたびにPEを巻き替えるのではなく、まずはこの4本編みを基準にします。
潮が速い場所では8本編みも選択肢
8本編みは表面が丸く滑らかに仕上がりやすく、同じPE2号でも水を切りながら沈めやすい傾向があります。潮が速い明石でラインが斜めへ入りやすい日や、着底が遅れて底を引きずる場面では、この滑らかさが効きます。
- 滑らかな表面でラインが受ける潮を抑える
- 2号の太さを保ったまま速潮へ対応する
- 200mの5色分けで仕掛けが出た長さを追う
アメイザー×8は、滑らかな表面加工を施したジギング用の8本編みです。速潮でも仕掛けを真下へ近づけ、着底した直後に小突きへ移りたいときに合います。8本編みそのものが根掛かりを防ぐのではなく、底を横へ引きずる時間を減らすために選びます。
硬く止まったら竿をあおらず張りを抜く
仕掛けが硬く止まったら、竿を何度も強く立てて外そうとしません。竿が曲がった状態で引き続けるほど、カンナやオモリが障害物へ深く入ります。ロッドやリールにも、タコを掛けたとき以上の負荷が掛かります。
巻く手を止めて竿先を戻す
最初にリールを巻く手と小突きを止めます。竿先を少し仕掛け側へ戻し、張っていたラインを緩めます。オモリが岩の角へ乗っただけなら、張りを抜いたときに海底へ落ち直すことがあります。
数秒待った後、竿先を低くしたままラインをゆっくり張ります。仕掛けが動けば、そのまま数メートル巻き上げ、障害物から離してから落とし直します。
軽く張って外れたかを確かめる
張りを抜いても外れなければ、短く張って緩める動きを数回試します。大きく竿を振るのではなく、ラインだけへ小さく張力を掛ける動きです。
このときドラグを緩めて巻き続けると、ラインが出るだけで根掛かりへ力が届きません。スプールを指で無理に押さえ込まず、まずは竿を低く保ったまま外れる余地を作ります。
引く角度を変える前に船長へ声を掛ける
船が流れてラインの角度が変わると、入った方向と反対側から引けることがあります。ただし、根掛かりしたまま船内を移動すると、ほかの人のラインと交差します。
自分の判断で場所を移らず、船長か中乗りへ根掛かりしたことを伝えます。船の流れを待つのか、反対側へ竿を出すのか、その場で切るのかは周囲の仕掛けを見て決めます。
タコの乗りと根掛かりは重みの動きで分ける
タコが乗ったときは、小突きの振動が消え、ゆっくり聞き上げると粘る重みが竿先についてきます。根掛かりは、同じ位置で硬く止まり、竿先を少し戻しても重みが動きません。
判別できないまま強く合わせると、根掛かりならカンナを深く刺します。まず竿先をゆっくり持ち上げ、重みが動くかを確かめます。粘る重みがついてきたらラインを緩めずに合わせ、硬く止まるなら根掛かりを外す動きへ切り替えます。
小突きから聞き上げ、合わせまでの流れは、船タコの小突き方を参考にしてください。
外れないときはラインブレーカーで切る
張りを抜き、角度を変えても動かなければ、仕掛けを切る判断が必要です。ロッドを曲げ込んで限界まで引くと、竿先やリールへ負荷が集中します。PEラインを高い位置でハサミ切りすると、長いラインが海中へ残ります。
PEラインを手へ巻き付けない
PEラインは細くても強度があり、張った状態で指や手のひらへ食い込みます。素手へ巻き付けて引けば、切れる前に皮膚を傷つける危険があります。グローブを着けていても、手へ巻く方法は使いません。
ラインブレーカーを用意し、周囲へこれから切ることを伝えます。切れた反動で仕掛け側と手元側のラインが戻るため、人がいる方向へラインを向けないことも大切です。
ロッドを曲げずにラインへ力を掛ける
ラインブレーカーへPEラインを重ならないように巻き、竿先を仕掛けの方向へ向けます。ロッドの曲がりを抜いた状態で、ラインブレーカーをゆっくり引きます。製品ごとの巻き方と保持方法があるため、初めて船へ持ち込む前に説明を読んで一度扱っておきます。
ラインブレーカーを持っていない場合は、PEを手へ巻いて代用せず、船長か中乗りへ処理を頼みます。仕掛けを一つ失う場面で手やロッドまで傷めないことが優先です。
船タコへ持ち込みやすいラインブレーカー
ラインブレーカーは、PEを巻くラバー部分に十分な幅があり、濡れた手でも両側を握れる形を選びます。船上では落とさないことも大切なので、ライフジャケットや腰へつなげられる製品が向いています。
第一精工 カラビナキッター
- ノンスリップゴムへPEを巻き付けられる
- 39gでライフジャケットへ付けやすい
- ノットの締め込みにも使える
カラビナキッターは、ライフジャケットのD管へ付けたまま持ち込める軽さが利点です。根掛かりしたときにバッグを開けず、その場でPEを巻けます。船タコへ初めてラインブレーカーを持ち込むなら、収納場所を取らないこの形から選べます。
ベルモント マルチオーバルラインブレーカー MP-165
- 幅のあるラバー部分へPEを重ねず巻ける
- オーバル型で船上を転がりにくい
- 2本に分離してノットも締め込める
MP-165は両手で握れる長さがあり、ロッドを曲げずにラインへ力を掛けやすい形です。オーバル型なので船上へ置いたときも転がりにくく、2本に分ければFGノットの締め込みにも使えます。根掛かり処理とノット用の道具を一つにまとめたい場合に合います。
タカ産業 T-126 ラインブレイカー
- 17cmの長さへPEを重ねず巻きやすい
- スパイラルコードで落水を防ぐ
- ラバー部分が傷んだら交換できる
T-126は、細長い本体と携帯用スパイラルコードを組み合わせた形です。腰へつないだまま取り出せるため、揺れる船上で本体を落とす心配を減らせます。PEを巻く範囲を広く取り、両手でしっかり引きたいときに向いています。
回収した仕掛けは再投入前に点検する
根掛かりが外れて仕掛けを回収できても、そのまま落とし直しません。強く張ったラインと金具には、目で分かりにくい傷や変形が入ることがあります。
リーダーと結束部の傷を切り直す
リーダーを指でなぞり、ざらつき、白くなった部分、折れがないかを見ます。傷があれば、その部分より上で切ってスナップを結び直します。PEとリーダーの結束部も強く引き、滑りや緩みがあれば作り直します。
根掛かりでラインが切れた場合は、切れた位置も見ます。結束部で繰り返し切れるならノットを作り直し、リーダーの途中で切れたなら傷んだ部分をすべて取り除きます。基本の接続順は、船タコの仕掛けの作り方を参考にしてください。
スナップとカンナの変形を確かめる
船タコ用スナップが開いていないか、線材が曲がっていないかを確かめます。タコエギのカンナは正面と横から見て、1本だけ外側へ開いているものや針先が欠けたものは交換します。
オモリの接続部も引き、スナップが最後まで閉じているかを見ます。根掛かりを外すまでに金具へ強い力が掛かっているため、手元で一周点検してから次の投入へ戻ります。
根掛かりが続く場所では仕掛けを簡単にする
同じ流しで根掛かりが続くなら、外し方だけを繰り返さず、引っ掛かる箇所を減らします。2個付けを1個付けへ戻し、ブレードやワームを外し、船タコ用スナップ、タコエギ1本、オモリの形まで簡単にします。
予備仕掛けは接続するだけの形で持つ
リーダーと船タコ用スナップを組んだ予備を用意しておくと、高切れした後はPEと結ぶところから再開できます。タコエギとオモリも、船宿指定の号数を複数持ち込みます。
切れた仕掛けを船上で一から組むと、その間はタコエギを底へ置けません。交換する単位をリーダー、スナップ、タコエギ、オモリに分けておけば、傷んだ部分だけを替えられます。
捨て糸は船長へ確認してから使う
オモリだけが岩の隙間へ挟まる場所では、スナップとオモリの間へ、本線より弱いナイロンを短く入れる方法があります。捨て糸が先に切れれば、タコエギとスナップを回収できる形です。
ただし、長い捨て糸はオモリが振られてタコエギへ絡みます。船によって捨て糸の可否や仕掛けの決まりも異なるため、自己判断で追加せず、使う前に船長へ聞きます。
外す順番を決めておくと底へ戻るのが早い
船タコの根掛かり対策は、底を横へ引かないことから始まります。硬く止まったら巻く手を止め、竿先を戻して張りを抜き、軽く張っても動かなければ船長へ声を掛けます。それでも外れないときは、PEを手へ巻かず、ラインブレーカーでロッドへ負荷を掛けないように切ります。
仕掛けが戻った後は、リーダー、結束部、スナップ、カンナを順に点検します。傷んだ部分を替えて真下へ落とし直せば、再びオモリが底へ触れる硬い振動が竿先へ返り、小突きへ戻れます。











